2005年 07月 20日
バンドジャーナル誌2004年8月号掲載 |
超直前対策!!
「コンクール」不安解消のためのQ&A
という特集で掲載されました(バンドジャーナル誌Webはこちら)。
Q. いよいよコンクール地区予選が間近になりました。本番3日前ぐらいから前日にかけて、どのような練習をすればよいでしょうか?超直前練習のポイントや注意点を教えてください。
A. 色々な注意点や様々な筋書きが考えられると思いますが、少なくともただやみくもに練習するだけ…は避けるべきでしょう。残りの数日間のうち、個人練やパート練、合奏はそれぞれ何時間やれるのか、タイムリミットを知っておくことが肝心です。残り時間を把握していないと、どうでもよい枝葉の部分にいたずらに時間をかけてしまい、大切な部分にかけるべき時間がなくなってしまうということになります。残された時間に照らし合わせて、何をどのように練習するのか冷静に計画を立ててから練習に臨んでください。タイムテーブルを作って紙に書くのもよいでしょう。問題点に対してきちんとフォーカスしておけば、本番時の集中力も高まるはずです。なにはともあれ、気合いで青春ラストスパート!!といったノリだけでは、詰めが甘くなることが目に見えています。
それと同時に、あとはどうすれば自分達の実力を100%出すことが出来るかという“作戦”を立てるべきだと思います。以下に私が本番数日前から毎年やることのいくつかを書いてみます。
・本番の朝の集合時間と同じ時間に集合して練習する
・本番の演奏開始時間と同じ時間に通し合奏をする(計時を忘れずに)
・通し合奏の前に、本番前のチューニング室やリハーサル室での音出しをシミュレートしてみる
・通し合奏のとき、少ない人数でも構わないので必ず観客(OB、保護者、スタッフ、他の先生方etc.)にいてもらう
・本番時の服装で練習する。特にネクタイ・リボンはきちんと!
・本番の日にアクシデント(忘れ物をした、体調が悪くなった、楽器が壊れた、他の人とはぐれたetc.)が起きたときに、どのように対処するか決めておく
・前年度の同会場でのコンクールのビデオを鑑賞して、雰囲気を掴んで(思い出して)おく
大事なのは、本番の一日を“想像力の及ばない特別な一日”にするのではなく、“予想
通りの日常の延長”にしてしまうような工夫をすることだと思います。
≪番外編≫
3年生たちが1年生の時の初本番の録音があれば、本番前日のミーティングでメンバー全員に聴かせてあげてください。感無量の3年生、涙する先輩たちの足を引っ張らないようにしようと決意を新たにする2年生、先輩たちも最初はこんなに下手だったんだと驚く1年生…いいミーティングになること請け合いです。
Q. 比較的編成の小さいバンドで活動しています。ソロをやるメンバーの一人が、急病のため突然欠場することになってしまいました。どのようにその部員のパートをリカヴァーしたらよいでしょうか?
A. 小編成バンドの場合、メンバー一人一人の出す音の重要度は大編成に比べておのずと高くなるので、ソロに限らず、伴奏の音が一人分無くなってもサウンドが一気に薄くなってしまうという事態はしょっちゅう起こります。大切にしたいのは、普段の合奏練習のときからそのような事態を放置しないという姿勢です。欠席している部員のソロパートを、自分が休符のときだけでも音域の近い他の楽器の生徒が吹くようにしておけば、今回のようなトラブルにもすぐに対応できるでしょう。もちろん、ソロ以外の場合でも他の生徒がいつも穴を埋めるようにしておきます。他のパートを知っておくようにすることで楽曲への理解が深まりますし、他パートの音が耳に入りやすくなるのでアンサンブルが向上します。何より、小編成バンドにおいては、基本的にすべてのパートのすべての音がソロなのだということをバンド全員に認識させることで、チームワークや責任感を育てることができると思います。
実際に替わりの楽器を決める場合、同じ音域であることや楽器の種類にこだわる必要はないと考えます。ユーフォニアムのソロをピッコロで演奏しても構わないでしょうし、トランペットのソロの替わりをシロフォンで叩いたとしてもいいでしょう。バランスに留意さえすれば、音域の高低を変えることも問題ありません。大切にしたいのは、「楽譜に指定されているソロ楽器に近い音の楽器を使う」という考え方ではなく、「自分たちのバンドにおいて音楽的に一番いい演奏ができる楽器を使う」という考え方だと思います。
もちろん、本番が終わった翌日に、メンバー全員で欠場してしまった部員のお見舞いに行ってあげることも、小編成バンドにおいてはとても大切なことですね!!
「コンクール」不安解消のためのQ&A
という特集で掲載されました(バンドジャーナル誌Webはこちら)。
Q. いよいよコンクール地区予選が間近になりました。本番3日前ぐらいから前日にかけて、どのような練習をすればよいでしょうか?超直前練習のポイントや注意点を教えてください。
A. 色々な注意点や様々な筋書きが考えられると思いますが、少なくともただやみくもに練習するだけ…は避けるべきでしょう。残りの数日間のうち、個人練やパート練、合奏はそれぞれ何時間やれるのか、タイムリミットを知っておくことが肝心です。残り時間を把握していないと、どうでもよい枝葉の部分にいたずらに時間をかけてしまい、大切な部分にかけるべき時間がなくなってしまうということになります。残された時間に照らし合わせて、何をどのように練習するのか冷静に計画を立ててから練習に臨んでください。タイムテーブルを作って紙に書くのもよいでしょう。問題点に対してきちんとフォーカスしておけば、本番時の集中力も高まるはずです。なにはともあれ、気合いで青春ラストスパート!!といったノリだけでは、詰めが甘くなることが目に見えています。
それと同時に、あとはどうすれば自分達の実力を100%出すことが出来るかという“作戦”を立てるべきだと思います。以下に私が本番数日前から毎年やることのいくつかを書いてみます。
・本番の朝の集合時間と同じ時間に集合して練習する
・本番の演奏開始時間と同じ時間に通し合奏をする(計時を忘れずに)
・通し合奏の前に、本番前のチューニング室やリハーサル室での音出しをシミュレートしてみる
・通し合奏のとき、少ない人数でも構わないので必ず観客(OB、保護者、スタッフ、他の先生方etc.)にいてもらう
・本番時の服装で練習する。特にネクタイ・リボンはきちんと!
・本番の日にアクシデント(忘れ物をした、体調が悪くなった、楽器が壊れた、他の人とはぐれたetc.)が起きたときに、どのように対処するか決めておく
・前年度の同会場でのコンクールのビデオを鑑賞して、雰囲気を掴んで(思い出して)おく
大事なのは、本番の一日を“想像力の及ばない特別な一日”にするのではなく、“予想
通りの日常の延長”にしてしまうような工夫をすることだと思います。
≪番外編≫
3年生たちが1年生の時の初本番の録音があれば、本番前日のミーティングでメンバー全員に聴かせてあげてください。感無量の3年生、涙する先輩たちの足を引っ張らないようにしようと決意を新たにする2年生、先輩たちも最初はこんなに下手だったんだと驚く1年生…いいミーティングになること請け合いです。
Q. 比較的編成の小さいバンドで活動しています。ソロをやるメンバーの一人が、急病のため突然欠場することになってしまいました。どのようにその部員のパートをリカヴァーしたらよいでしょうか?
A. 小編成バンドの場合、メンバー一人一人の出す音の重要度は大編成に比べておのずと高くなるので、ソロに限らず、伴奏の音が一人分無くなってもサウンドが一気に薄くなってしまうという事態はしょっちゅう起こります。大切にしたいのは、普段の合奏練習のときからそのような事態を放置しないという姿勢です。欠席している部員のソロパートを、自分が休符のときだけでも音域の近い他の楽器の生徒が吹くようにしておけば、今回のようなトラブルにもすぐに対応できるでしょう。もちろん、ソロ以外の場合でも他の生徒がいつも穴を埋めるようにしておきます。他のパートを知っておくようにすることで楽曲への理解が深まりますし、他パートの音が耳に入りやすくなるのでアンサンブルが向上します。何より、小編成バンドにおいては、基本的にすべてのパートのすべての音がソロなのだということをバンド全員に認識させることで、チームワークや責任感を育てることができると思います。
実際に替わりの楽器を決める場合、同じ音域であることや楽器の種類にこだわる必要はないと考えます。ユーフォニアムのソロをピッコロで演奏しても構わないでしょうし、トランペットのソロの替わりをシロフォンで叩いたとしてもいいでしょう。バランスに留意さえすれば、音域の高低を変えることも問題ありません。大切にしたいのは、「楽譜に指定されているソロ楽器に近い音の楽器を使う」という考え方ではなく、「自分たちのバンドにおいて音楽的に一番いい演奏ができる楽器を使う」という考え方だと思います。
もちろん、本番が終わった翌日に、メンバー全員で欠場してしまった部員のお見舞いに行ってあげることも、小編成バンドにおいてはとても大切なことですね!!
by ISOZAKI_Masanori
| 2005-07-20 01:33
| 1. 吹奏楽